引越し約款を分かりやすく解説!確認すべき個所は?

引越し約款は引越しに関する大まかなルールを定めたもの

約束

 

引越し業者との契約前に引越し約款の確認はされていますか?

 

この引越し約款(標準引越運送約款)はあまり聞き慣れないものですが、引越しに際して様々な約束事(ルール)が記載された条文を指しています。

 

引越し約款の主な役割とは?

 

これは引越し業者と消費者の間で起こりうるトラブルを未然に防ぐことを目的にして定めたルールです。

 

(引越し約款は1990年に当時の運輸省により告知され、現在では2001年に改正され国土交通省から告知された標準引越運送約款が利用されています。)

 

 

引越し業者により国から告知された約款をそのまま利用する場合もあれば、一部内容を変更した約款を利用する業者も御座います。

 

しかし、基本的な柱となる部分についてはいずれも変わりはありません。

 

内容の変更に際しては業者が勝手に行えるものではなく、国に届け出して認可を受ける必要がありますので、消費者側が一方的に不利になる内容が加えられることはありません。

 

 

また、業者側は見積もり時に必ず消費者にこの約款を提示しなければいけない事になっているのでひとまず確認をして下さい。

 

約款にある9条を分かりやすくすると?

 

契約書の内容については非常に分かりにくく細かい字で書かれているのが世の常ですが、

 

  • 総則
  • 見積もり
  • 運送の引受け
  • 荷物の受取
  • 荷物の引渡し
  • 指図
  • 事故
  • 運賃等
  • 責任

 

など第9章に分かれており、およそ引越しに関わる様々な内容が記載されています。

 

本当に、この記事を読んでいる人がいるのかと思うと悲しくなりますが、
分かりやすく要約すると、

 

総則

 

総則には、この約款を適用する範囲について記されています。

 

トラック等の車両を使って引越しを行う場合や、これに関連する荷造り、そして引越しに伴う不用品処理に関してこの約款が適用されるという内容です。

 

ただしこれに適用するサービスを受ける場合でも、約款を適用しないことを予め告知されていた場合には、業者は約款に従わなくて良いとも定められています。

 

また、約款に記載されていない事項については

  • 法令や一般常識に則って判断すること、
  • 特約が約款以上に優先される可能性があること、
  • 業者は営業時間を明確に定めること

も本項で決められています。

 

 

見積もり

 

見積りをする際には、利用者が分かりやすい見積書を発行するように求めている項目です。

 

具体的には

  • 運賃の合計額や
  • 内訳、
  • 支払い方法、
  • 解約手数料の金額、
  • そして業者が行う作業内容等を明確に示す

ようにと書かれています。

 

また、運搬以外のサービスに対価が発生する場合には、その金額も示すように定められています。

 

 

見積料や内金・手付金を請求しないという内容が記されており、見積りの際にはこの約款を提示することも定められています。

 

引越し予定日の2日前に、業者から利用者に向けて最終確認の連絡を入れることも規定されています。

 

 

運送の引受け

 

この項目では、業者が依頼を拒絶できるケースについて説明されています。

 

例えば高架作業が必要な際に、業者がクレーン車等を手配できない場合には作業を拒絶できることになります。
常識外の要求を受けた際や、天災などの事情がある場合にも、依頼を拒絶できます。

 

 

業者は現金や貴金属、火薬、芸術品など特別な価値を持つ品の運搬も拒絶可能です。
そして、依頼した業者が下請けや提携会社に作業を任せることも認められています。

 

参照:引越し業者が運んでくれない荷物って何なの?

 

 

荷物の受取

 

見積書に書かれている日時の通りに荷物を受け取りに来ることを約束しています。
その上で利用者が行うべき準備や梱包について書かれており、我々はこれを守らなければなりません。

 

 

要点としては、契約内容通りの荷物量に抑えることや、荷物の種類に沿った梱包を行うように求められています。

 

例えば貴重品や精密機器の場合には、箱の見えやすい位置に内容物を記載するなどして中身を知らせなければなりません。

 

 

業者は必要に応じて箱の中身を確認できるとも定められており、この際に何らかの損害が発生した場合には賠償を求められます。

 

ただし虚偽の内容物が含まれており、業者側に損害が発生すると、反対に利用者に賠償責任が生じます。

 

 

荷物の引渡し

 

荷物の引き渡しも見積書に書かれた日時通りに行われます。

 

当日の受け取りが不可能であれば、代理人を決めて業者に通知しなければなりません。
ここで生じたトラブルに業者は関与しないため、信頼できる人を代理人に指定しましょう。

 

 

どうしても受け取りができない場合は、業者側は保管料など必要な経費を請求できます。
また、長期間放置した場合等には競売等により処分できることもこの項で定められています。

 

 

処分費用は利用者に請求されますが、競売で利益が生じた際には、利益分は消費者に戻されます。

 

 

指図

 

ここでは荷物運搬中に業者に指示できる項目が記されています。

 

運搬そのものの中止や返送、予定と違う住所への転送の指示が運搬中に限り可能です。

 

ただし何らかの支障が生じると判断された場合は、その理由が即座に通知され、応じない場合があることも記されています。

 

 

事故

 

事故への対処法はこの項で確認しましょう。

 

荷物の消失や棄損が見つかった際や、予定通りの運搬が不可能になった際には、即座に利用者にその旨が通知されますが、原則として作業は継続されます。

 

対処法の指示をしても、何らかの支障が生じると判断された場合にはこれを拒否されることがあり、連絡が取れない場合には業者の判断で適切な対応が取られることも定められています。

 

また、荷物に危険物が含まれていることが発覚すると業者によって処分され、その費用は利用者の負担になります。

 

事故が発生した場合には、引き渡し当日から1年間に限り、事故証明書を発行することも約束されています。

 

 

運賃等

 

業者は料金表に基づいて見積書を作成し、その通りの金額を請求すると記されています。

 

見積書に書かれていない料金は原則として請求できませんが、荷物が増えるなど見積りの条件と異なる引越しにまった場合など、正当な理由があるときには差額の請求や返還が行われます。

 

 

運搬中の指示により損害が発生したり、利用者の過失によって事故が生じたりした場合には、その処理にかかる費用を利用者に請求されます。

 

 

荷物の一部の消失や損壊が発生しても料金は減額されず、一度料金を支払った後に清算を行うことになります。

 

ただし大部分の消失や損壊が認められた場合、業者に責任があるときに限り料金の支払いを拒否できます。

 

 

引越し2日前からはキャンセル料が発生し、その金額は最大で20%であることが定められており、それ以外の手配にかかる費用は別途請求されることも記されています。

 

責任

 

この項目では賠償金が発生するケースが定められています。

 

養生不足によりフローリングや壁等が傷付いた場合、この修理費用は業者が負担します。

 

免責には、業者が責任を取らないケースが書かれており、

  • 不可抗力や
  • 自然災害、
  • 交通障害等

が挙げられています。

 

 

安全に運搬できる設備が無いのに作業を引き受け、損害が発生した場合には、業者が賠償責任を負います。

 

一方で利用者が精密機器や貴重品が含まれていることを知らせないまま運搬させ、結果として損害が生じた場合には、業者に責任を追及することはできません。

 

 

業者に対するクレームは受け取り後3ヶ月以内に通知することが原則ですが、業者が隠ぺいを行った場合にはこの限りではありません。
また、賠償される金額は損害額の実費になります。

 

 

遅延が発生した場合、運賃の合計額が賠償の上限になりますが、業者側の重大な過失が認められる場合は、損害の全額を請求することが可能です。

 

これら全ての問題は、受け取り後1年で時効になりますが、業者が隠ぺいを行っていた場合には時効は適用されません。

 

 

依頼した業者が作業を下請けに任せ、この会社が損害を発生させた場合も、依頼した業者が責任を取ります。

 

万一、利用者が業者に損害を与えた場合には、利用者に対して損害賠償責任が発生することもこの項で定められています。

 

 

 

約款で確認すべき点は?

 

確認すべき重要な点の一例を挙げますと、

 

例えば第2条の見積もりに関しては、見積書に記載するべき内容について細かく指定されていたり、引越し日の2日前までに申込者に対して見積書の記載内容に変更が無いかを確認を行うとされています。

 

 

この確認について行われない場合は、前日や当日に引越しをキャンセルしても延期手数料や解約手数料を支払う義務がありません。
(ちなみにキャンセル料は、前日の場合は運賃の10%以内、当日は運賃の20%以内と定められております。)

 

 

第19条では、運賃についてのルールが細かく記載されており、見積もり時よりも荷物が増えた場合には、運賃の変更を行う事が可能で、その分追加料金が発生してしまいます。

 

 

第29条では、業者が過失により荷物を紛失・また故障させた場合は損害責任を負わなければいけません。
しかし、この場合は業者が荷造りを行った場合のみ適用され、消費者側の荷造りの不備で故障した場合は責任を負わなくても良いといった内容も記載されています。

 

ただし、第23条では、予見できない事故や自然災害によって物品が破損した場合は責任を負わず免責になります。

 

 

他にも注意しておくべき項目としては貴重品や壊れやすい物品などについては事前に申告する必要がある点が挙げられます。

 

 

この申告を怠ると物品を紛失したり壊れた場合でも損害賠償の請求が行なえなくなりますので、具体的にどのような物品を申告しなければならないか細かくチェックしておきましょう。

 

 

約款は基本的には消費者側が損をせず公正に利用するための細かなルールが記載されていますが、業者により独自の約款を採用している場合(追加や変更)があるため、細かな文字の羅列になりますが一度目を通しておくと良いでしょう。